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先日原武史氏がテレビで新宿騒乱について語っていた。自分は予備校浪人時代から東京に12年ほど暮らしていたが、テレビに映し出される新宿の映像に噛り付いたというか、心のそこから懐かしいと感じ、東京が「第二の故郷」となっていることに気付いた。
10代後半から30代前半まで過ごした東京。それは小学生から高校生までの記憶のそれとは明確に違う。やりたい放題のモラトリアムと呼ばれる大学時代、会社勤めでのどうしようもない社会との齟齬感。つくってはこわし、こわしてはつくり、暗闇でなにかをつかもうとしていたような。
新宿の映像に噛り付きながら、自分は新宿が一番好きだったのかなと思った。渋谷も銀座も恵比寿も特別な場所だが、新宿はまた別空間だ。ぼくは新宿の痰にまみれた埃くさい路上や寄付金をせまる駅前の集団、ヨドバシカメラ、その前にあるコンビニ、長距離バス乗り場、東急ハンズ、キノクニヤ、マルイ、天下一品ラ ーメン、吉野家、アルタ、ツタヤ、世界堂、その全てをピントぴったりにまざまざとフルカラーデ思い浮かべることができるし、どの固有名詞も重い。自分の背骨だ。東口か西口か南口かでも全く違う。自分は三鷹に住んでいたので、新宿へ行くにはストレスはなかった。庭と言ってもいいかもしれない。生まれ故郷の大分よりはるかに記憶の蓄積がある。 遠く離れて、そこがフルサトとなっていました。それをテレビ画像を通して発見したのでありました。

自分がその当時何を考え、何を悩み、何を喜び、何を思考していたのか。その基盤に「新宿」的なるものがあったのは間違いない。
新宿を知らない人に新宿を「説明」するとしたら、どうなるのか。そしてそれが可能か。大人っぽい街?危ない街?働くところ?遊ぶところ?汚い?一義的に定義すればするほど、逃げていく。面白い街かと言われるとわからない。
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