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2014.01.01
新春のよろこび

庭にジョウビタキがあらわれた。
漢字では「常鶲」と書く。
腹部がレンガ色をし、翼に白斑がある。
昨年数ヶ月かけて、平出隆『鳥を探しに』(昨年読んだ本のベスト1)を読んで以来、
すっかり鳥に魅了されると、わたしの庭に幾種類もの鳥たちが
訪れることにきづいた。近くに大きな河川があるからだろう。
鳴き声もそれぞれで、愛おしい。
朝、さわやかに太陽が立ち上って、光もやさしかった。
韓氏意拳の站椿をひさしぶりにする。
ただ立っているだけだが、すがすがしい。
天と地のあいだにわたしがミディアムとなってひとつの柱になる。
朝の太陽を見ていたときに浮かんだ言葉は金剛と胎蔵だった。
ストロング金剛という固有名詞もついでに思い出してしまった。
昨年から曼荼羅がずっと気になっている。
杉浦康平の『マンダラ発光』を思わず買う。
鶴崎大神宮には宮司がいないようだ。
手水も管理が行き届いていないことがある。
わたしでも宮司になれるのだろうか。
正月はラジオ録音したピーター・バラカンの4時間半にわたるジャズ特集を
聴くともなく聴いている。わたしが時代遅れなのか、どれもジャズには聴こえないのがすごい。
ポケットにしまってあったモレスキンのノートごと洗濯してしまいばらばらに粉砕した。
何が書かれてあったのかもう思い出せない。
新しいモレスキン・ノートを買う。
そこには書かれてなかった言葉を継ぎ足す。
「人の体は水で満たされているのと同じだけ光で満たされている。」『未明の闘争』保坂和志
「更に諸尊ことごとく月輪(がちりん)と称する円光の中にいることに注目すべきであろう。これを以て思いを致せば、金剛界マンダラは夜の光景であるかもしれない。もしそうだとすると、胎蔵界マンダラは昼の光景であるかもしれない。すなわちまた、金胎両部マンダラは昼夜を分かつ全天の光景であるかもしれない。」『マンダラ紀行』森敦
「短かい時のあいだに我に返る。何か幸福というものらしきものが、あそこにある。今、はじめて分ったようにあそこにある。ほんとうはずっと前からああいう光線を見ていたものだった。しかしこのように新しい自然のように、幼児が外界を見るように初々しく発見した。発見は、何もトルストイやトルストイのえがく人物だけの専売特許ではない。ところが発見はかえって彼の事情を息苦しくさせる。彼は幼児のように発見したけれども、強壮なる二十七歳の男である。」『私の作家遍歴』小島信夫
A Happy New Year !
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