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2009.07.08
サイパンと彩帆

きのうに続いてサイパンの話。
飛騨高山の古い町並みに、個人が営む小さな小さな戦争資料館がある。
何回か訪れた。中には戦時中の軍服やバイク、写真など所狭しと展示されている。だが一番の店主の主眼はサイパンへの戦没者(店主の戦友)の遺骨収集と慰霊の旅の記録であり、ここ極寒の飛騨高山からサイパンへの出兵はかなりあったようだ。
その旅の記録はとても重い。サバイバーズ・ギルドといって、生き残った者は「なぜおれが生き残ったのか」という問いが一生消えることなく、自問され自責され続ける。
遺骨は今も掘れば各所で出てくる。全き観光の地の背景に今も癒えない傷痕あり。死んだ霊を慰める石碑は日本の方角へと向けられている。
ちなみに飛騨高山は木工家具が盛んな地域で、その技術を活かして、戦時中は鉄の不足問題もあって、飛騨産業で木製の爆弾が作られていたという。その現物も展示されてあって驚いた。
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