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2011.10.23
空間局面の変容
ニコ生で行われた田原総一郎氏と山本太郎氏の議論をYouTubeで見る。
田原総一朗・談論爆発!山本太郎が登場!
このなかで田原氏が「地域の概念が変わった」という指摘はとても重要である。
原発というものは買収が前提で、いままで地域買収とはひとつふたつの村を想定しておけばよかったのだが、原発事故後の汚染の広がりが10km、20kmということが白日の下にさらされると、買収する地域の範囲が広がる、つまりそれだけ買収額が膨大になり、とても電力会社では賄いきれなくなり、これから新たに原発を建設することは不可能だと。(このあたりの思考の枠組みが山本氏にはぴんときていないようであるが…)
このへんの話を聴いていて、ふと大学時代に勉強したカール・シュミットの『パルチザンの理論ー政治的なものの概念についての中間所見』(ちくま学芸文庫)を思いだし、本棚の奥から取り出す。
そのなかに「空間局面」という一節があるのだが、そこには技術的な進歩によって空間構造や空間秩序が変容していくさまが記述されている。詳細は省くが、たとえば原発の出現は放射性廃棄物のための処理庫が無主の太平洋の深海に求められたり、ドイツ軍の潜水艦の出現は海に予期せぬ別種の戦闘空間が付け加えられ(それは初めは非正規である)イギリス軍を憤激させたとかいろいろ書かれている。
今回の原発事故ではまさに空間局面が変わったのだった。空間局面の変容はチェルノブイリという対岸の火事(?)では起きず、自らの身体に放射能を浴びるという切実な恐怖によってしか起きえなかった。そういうものなのだ。残念だが。
東京電力
田原総一朗・談論爆発!山本太郎が登場!
このなかで田原氏が「地域の概念が変わった」という指摘はとても重要である。
原発というものは買収が前提で、いままで地域買収とはひとつふたつの村を想定しておけばよかったのだが、原発事故後の汚染の広がりが10km、20kmということが白日の下にさらされると、買収する地域の範囲が広がる、つまりそれだけ買収額が膨大になり、とても電力会社では賄いきれなくなり、これから新たに原発を建設することは不可能だと。(このあたりの思考の枠組みが山本氏にはぴんときていないようであるが…)
このへんの話を聴いていて、ふと大学時代に勉強したカール・シュミットの『パルチザンの理論ー政治的なものの概念についての中間所見』(ちくま学芸文庫)を思いだし、本棚の奥から取り出す。
そのなかに「空間局面」という一節があるのだが、そこには技術的な進歩によって空間構造や空間秩序が変容していくさまが記述されている。詳細は省くが、たとえば原発の出現は放射性廃棄物のための処理庫が無主の太平洋の深海に求められたり、ドイツ軍の潜水艦の出現は海に予期せぬ別種の戦闘空間が付け加えられ(それは初めは非正規である)イギリス軍を憤激させたとかいろいろ書かれている。
今回の原発事故ではまさに空間局面が変わったのだった。空間局面の変容はチェルノブイリという対岸の火事(?)では起きず、自らの身体に放射能を浴びるという切実な恐怖によってしか起きえなかった。そういうものなのだ。残念だが。
東京電力
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