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2011.08.13
忘れがたい景色はますます忘れがたくなる
昨晩は会社の呑み会。
社員の森さんは自意識が薄いというか周囲に対する関心が希薄なところがあって、たとえばさっきまで社内で熱く語り合っていたのに、僕が先に退社して歩いて帰っている横を森さんは自転車で僕のことに気付かずに素通りして帰ってしまう。そういうエピソードには事欠かないのだが、そのへんの意識の散漫ぶりが羨ましかったりする。
夜の駅で電車を30分ほど待つ。
時刻表を見たら30分以上もあったので、ああ30分も待つのかあと思ってベンチに座って本を読んでいた。そのうちになんというか辺りの空気が夜の気配の濃密さに充ちている事にきづく。本を読むのをやめ、その夜の豊穣さにただ受け身となる。蒸し暑さのなかの微かな風や虫の鳴き声、蛾から闇をいや増す小さな電球、誰かが携帯でぼそぼそ話している声とか、そういったものすべての夜に浸された。こんな茫漠とした充実もない。からっぽだから充実。仕事や遊びで忙しかったりするのは充実ではなかろう。そこには充たされるべきものなど初めからない。
墓参り。
見えない者に頭を下げる。
EXILE(エグザイル)の日本語訳は「追放」だと知った。
やられたと思った。
社員の森さんは自意識が薄いというか周囲に対する関心が希薄なところがあって、たとえばさっきまで社内で熱く語り合っていたのに、僕が先に退社して歩いて帰っている横を森さんは自転車で僕のことに気付かずに素通りして帰ってしまう。そういうエピソードには事欠かないのだが、そのへんの意識の散漫ぶりが羨ましかったりする。
夜の駅で電車を30分ほど待つ。
時刻表を見たら30分以上もあったので、ああ30分も待つのかあと思ってベンチに座って本を読んでいた。そのうちになんというか辺りの空気が夜の気配の濃密さに充ちている事にきづく。本を読むのをやめ、その夜の豊穣さにただ受け身となる。蒸し暑さのなかの微かな風や虫の鳴き声、蛾から闇をいや増す小さな電球、誰かが携帯でぼそぼそ話している声とか、そういったものすべての夜に浸された。こんな茫漠とした充実もない。からっぽだから充実。仕事や遊びで忙しかったりするのは充実ではなかろう。そこには充たされるべきものなど初めからない。
墓参り。
見えない者に頭を下げる。
EXILE(エグザイル)の日本語訳は「追放」だと知った。
やられたと思った。
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