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2011.07.28 タイトルなし
レイ・ハラカミが逝く。


この前NHKで太地町の鯨漁の特集をやってた。
アナログ放送が終わって、テレビはもういいやと思ってたときにいい番組を見た。
国道42号線の熊野とかを旅してこのあたりの民宿に泊まると、イルカとか鯨の生肉が普通に出てくる。特筆すべき味ではないけど、それ以外に食うもんがなければ食わねばならない時代もあっただろう。裁こうとするシー・シェパードの連中の妨害を前に、地元民は初めて自分たちの寄って立つ基盤を疑う。


誰もが哲学者になっていて、シー・シェパードの連中より真摯に鯨のことを想っていた。
自分の業の前にたじろぐ人間と自分の正義をこそ押しつける人間。
後者のシンプルな手強さにどう向き合えばいいのかわからない。
(僕はずっと後者の人間たちの間で呆然としてきたような気がする。)


大分の臼杵とか佐伯あたりの湾岸沿いには鯨の墓が点々とある。
供養のための墓碑だろう。戦国時代では敗者を手厚く供養した。
そう言えば日本では針とかも供養の対象だ。
警視庁は捜索に尽力した警察犬のシェパードを供養する。
贈与を受けた者の、生き残った者の作法。
つねに(先に)死せる者たちのまなざしの前に立つ。
死者はまなざされず。奢ることはあっても。


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