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2011.04.06
海辺のカフカ

カフカの『城』を現代人の孤独を表現しているみたいに解釈してしまったら、
読む事の快楽は少しも得られない。
本人や周囲がよかれと思って、奮闘、努力すればするほど、
Kは城から遠ざかっていく。目的から遠のいていく。
主体はつねに挫折する。
いや、主体的になることの不可能性とでもいえようか。
どういうコマンドを打ち込んでも、
エラーとなってしまう地獄の冗談があの海辺で今も繰り広げられているのか。
怒りながら笑う竹中直人のパフォーマンスが急に見たくなる。
「いや、ここでは、でたらめなことは、なにひとつおこなわれていません」カフカ『城』
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