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2011.03.30
身捨つるほどの

1分間の黙祷さえ長く感じられた。
途中薄目をあけると、世界が静止しているかのように皆大人しくじっとしていた。
わずかに足元の雑草が小刻みに神経症的に揺れていた。
光速で宇宙を飛ぶと年をとらないけど、
引き返す瞬間に一挙に時間が追いついてきて老けるという現象に似たものが、
黙祷の沈思している際に訪れた。
この3週間近い時間の厚みをいま不意に引き受けたような。
目をあけて、いつものモードに戻るまでに時間がかかった。
震災から2日後に東京を離れて九州に「疎開」した学生と会う。
その尋常でない判断の早さに驚くが、疎開もまた神経をすり減らす日々のようで、
危なくても東京の方がいいやとならないように疎開生活を楽しんでもらいたい。
ラジウム温泉を紹介したらうけた。
笑うと背骨がゆるむのがわかって、呼吸が深くなるような気がして体にいい。
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