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唐突に39度くらいの発熱。
体の内側から震えてくる。
こうやって熱を起こすのだそう。
よくできてるとつくづく思う。
震えて眠る。
ふと目覚める。
なんとなく熟睡できていない。
ずいぶんよく眠ったと思って時計を見たら、まだ夜の11時。
目が覚めてから空虚へ落ち込む。
水の買い占めなんかのニュースを聞くと、
パニックとはパニックのためのパニックであるような気がしてならない。
高熱なんかでうなされていると、
いつもとは違う思考や感覚が自分を圧倒的に支配してくる。
心細さもそうだろうし、妙な粋がりや解放感もある。
普段できそうにないことができるような気がしてくる。
まあこれらは頭の中だけでのことだけど。
30も半ばを過ぎると、体の不調時のパターンがわかってきて、
熱もここを過ぎれば冷めてくるとか、こうした方が早く治りやすいとか、
傾向がみえてくる。でもこういう傾向も年齢とともに変化してくるのだろう。
人生はすべて崩壊の一過程であるわけだし。
「第一の種類の崩壊作用はてきぱきと運ぶー第二のものだと、起こってもまず気がつかないかわりに、まったくだしぬけに致命傷をつきつける。」フィッツジェラルド
でも高熱にうなされた時に決まって見たあの漠然とした恐怖の夢を最近見なくなってしまって残念だ。こどもの頃から決まって見ていた夢があったのだけど。
夢だとわかっていても恐怖のどん底の突き落とすあの夢を誰かと共有することはできるのだろうか。
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