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糞でもしたのか、いぬが後ろ足で土を蹴っているのが2階の窓から見えた。
このいぬ、あるいはその動作と現在東日本で進行していることが全く関係ないことに愕然とした。
このいぬは現在東日本で進行していることと永遠に交わることがない。
だけど自分は現在東日本で進行していることに強く包摂されている。
たとえ九州の片隅に住んでいようとも無関係ではいられない。
ニュージーランドでは無関係だったかもしれないが。
この出来事は多くの言葉を生んでいる。
言わされているだけかもしれない。
燃えさかる炎は沈黙を強いてくる。
今日は日曜美術館はない。
この前、芸大生のクラシック演奏会に行った。
最後の挨拶で代表が、この不況下での芸術という選択はたいへん厳しいということ語っていた。
クラリネット。
クラリネットとこの現在東日本で進行していること。
マティスが妻と娘がレジスタンス活動でナチスに捕まっていた頃にも創作を続けていたこと。
反原発活動を周りから煙たがられながらも続けていたTさんを思い出す。
リュックを背負って、そのリュックに原発の危険性を書いた幕を張ってとにかく歩き回っていた。
自給自足でほとんど電気を使わない生活をしていた。
今日は長い長い誕生日だった。
まったく役に立たないことであっても、じぶんにとってのっぴきならない魂に直接かかわるようなことがある。
大分弁に「すもつくれん」という方言がある。
語源はわからないが、推測するに鳥の巣もつくれないほど役に立たないということだろう。
じぶんは周りからすもつくれんと言われるようなことばかりをやってきたように思えるけど、それをやっと最近肯定できるようになった。
廃墟がじぶんを支える唯一なものだった。
散歩中のいぬが、後ろ足で土を蹴っていた動作がとにかく素晴らしかった。
中型犬で後ろ足のももの筋肉が締まっていて。
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