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田と

昨日は恵みの大雨。
夜は蛙たちがいっせいに鳴いた。人間は境界をつくるのが好き。
地球と宇宙。日本と朝鮮。あんたんところと、うち。
大雨が降ると、田と田の境界線が消滅するのが分かる。
蛙たちがピョンピョコ田から田へと移動するからだ。
雨で水びたしになれば、内も外も、こっちの田もあっちの田もなくなる。

禅や瞑想で覚醒にいたった人の話を読むと、きまって自分とか他者とか自然とかとの
境界線が消滅するということを語る。
自然と自分とが境目なく一体であることに開眼することが悟りなのかもしれない。
わたしはこれが自分で、と決めつけすぎているのかもしれない。
詩的な意味ではなく、宙空を舞う蝶を見て、あれも自分だと思ってもいいのだ。

確かに神経症や自意識過剰の状態は、自己と世界に線を引きまくり、分断し、両者ともが縮小してしまって疲れ切っている状態かもしれない。まったく自分と関係のない会話を自分のことを言っていると思い込むのも、世界と自己が強迫的に遊びなくなってしまっている証左であろう。
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