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2009.06.24
田んぼは誰のもの?

夜は蛙や虫たちが一斉に鳴いていて、とても心地よい。
窓を開けてその声を聴いている。いったい幾層もの響きが重なっているのだろうか。
空き地や田、畑が点在し、虫のいどことなっている。ある一定のリズムで鳴くそれらに、
自分もふとんに横たわって、意識を同期させると暑さも忘れる。京都の友人の家は、地の底から沸きあがってくるような凄まじいシンフォニーだったが、こっちは虫たちとの距離感がちょうどいいのかもしれない。
ここら一体は新興住宅地ではあるが、昔は田畑しかなかったところで、
そこらへんにまだ生態系が残っている。
田んぼはただ米を収穫するところではなくて、千の虫や鳥たちが住む住居の機能を果たしていて、田んぼの消滅は彼らへの抹殺を意味する。その責任は誰も負わない。
風景もただだと思っている。
田園風景の中を走る電車。乗客はその風景に癒されるけど、JRは特にこの風景への対価は払わない。
小さくても近くの田んぼが消えたら悲しむ文化を。
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