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2010.10.30
思い起こし

ひさしぶりにまともに休みがとれて、
とにかく眠って過ごす。
途切れ途切れに夢を見るが、感触的にしか思い出せない。
夏も秋も一気に通過してしまったかのような寒さ。
秋が体感的にどのような気候だったのか思い出せない。
ある小説を読んでいたら、ビクトル・エリセ監督の映画「エル・スール」の話が書かれていて、一気にこの映画を再度見直した時の静かな衝撃を思い出してしまって、異様に興奮する。映画も小説もそれを体験している間でしか存在できないが、見ていない時であっても当然その衝撃の残響みたいなものはずっと身体の芯に残っているものだなあとあらためて気づいてしまう。
消えていくものとか、忘れ得ないものとか、それぞれがどのように身体に刻まれているのか複雑すぎてわからないが、たとえば昔飼っていて死んだ猫とか、やっぱりたまに思い出してあげるのは大事なことだと思うし、それと同様にいや全然違うかもしれないが、かつてえらく衝撃を受けた作品を再度見直すことの重要さもやはりある。20歳の自分ではわからなかったことを当然50歳の作者は作品に散りばめている。
最近は年をとることの重大さにやっと気づけるようになった。
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