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2010.08.14 温泉街の情景
ゆきずり


親戚の多くが温泉街に住んでいる。
お盆とか正月にはこの温泉街を訪れることになる。
温泉街の地元の人は夏に温泉に入ったら玄関前で上半身はだかでゆっくりしている。
そんな文字通り丸腰の風景は子どもの頃から変わっていない。
丸腰のひとたちは年をとり世代をかえているだろうが。
戦争の反対語は温泉。

この前、身体は女性だが心は男性の性同一性障害に悩む中学生をNHKで取り上げていた。
散々家族で議論した結果その女生徒は男子の制服を着て登校することに決めた。
そのはじめての朝、家族は男子の制服を着た娘を見て、
「前から着ていたとしか思えない」
「違和感がない。そうとしか見えない」
と口々に語っていて、その光景がとてつもなく美しいものに見えた。

美談とか思いやりとかそういう美しさではなくて、
なにかこう新しく生まれ変わったことの感動というか、
再生のよろこびというか。
そしてそれが白い朝だった、登校の風景。後ろ姿。

すべてのものはその都度生まれ変わっていることに驚きたい。


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