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2010.08.08
残響

店から戻ると車の上にぬこが居座っていた。
熱くないのだろうか。
お持ち帰りしたくなるほどかわいかったが、野生の敏捷性ですぐ逃げた。
夜でも不意に日中の蝉の鳴き声が耳の奥から響いてくることがある。
感情でも残り香でも、尾を引いて微かに残ったものの方が強く胸を締め付ける。
グーグルアースのストリートビューで以前住んでいたところを見たら、ベランダに自分の服が干されていた。
過去がこういうふうに残っていくのは、とても残酷だと思った。
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