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2010.08.06
物質的恍惚

夜。
前の車の小さいテレビモニターに写る映像が見えた。
こうして見るとテレビというのは頻繁にカットを割っていることに気づく。
遠目で細かく割られた映像、暗い車内に浮かび上がる無機質な映像を見ているうちに8ミリフィルムを思い出した。
昔やった8ミリフィルムの映像はなによりも物質の夢だった。
映画はまず物質だった。データではない。
すごく綺麗な年配の奥さんがいた。
自分は熟女趣味はないけど、この人にはどきりとするものがあった。
おそらく熟女一般への憧れがある人はきっと過去にあるひとりの特定の熟女に魅入ったからなのではないのかと思う。その人の影が熟女一般への導きを促しているのではなかろうか。そういった覚醒はつねに一般的なるものに回収できない唯一無二の個人的な体験によって起こるものなのではなかろうか。だから世界って怖い。そんな夏。
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