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ホン・サンス監督の韓国映画「アバンチュールはパリで」をDVDで見る。
間違いなく今年見た映画でNo.1の傑作になるだろう。

夢と絵画(あるいは雲)と性衝動、ズームとパンをこれほど有機的に構成し得た映画を見たことがない。

東京で電車に乗っていて、とびきり綺麗な人が乗っていて、
でももう二度とお目にかかることはないのだろうな、というような出会いには、
再会を切実に希う欲望が走っているのだが、それを忘れていた頃、
夢に突如としてその押さえ込まれた欲望が噴出した時の世界の裂け目と真実に冷や汗をかくこと。

世界を正直に生きることの困難性と世界が常に要求し突きつけてくる真実の残酷性。

夢がそれらを橋渡す。

この映画ではズームと夢が近い。

ズームがかかる時、夢が始まっていた。

世界の自主映画作家たちを勇気づける映画でもあるだろう。


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