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2009.06.18 太宰生誕100年
hada

太宰治は1909年6月19日生まれ。生誕100年だという。
生きていたら、100歳ということだ。
太宰のポジションを時系列で理解してみるとおもしろい。

同じ1909年生まれに、哲学者のシモーヌ・ヴェイユ、経営哲学者のドラッカー、そしてなんと『死霊』の埴谷雄高がいる。
1年前の1908年生まれでみると法隆寺の棟梁西岡常一。指揮者カラヤン、映画監督マキノ雅裕。そして健在(!)の人類学者レヴィ=ストロースがいる。
1年後の1910年には漢字学者の白川静。2年後の1911年には編集者の花森安治。1912年は『月山』の森敦、『富士』の武田泰淳、画家のジャクソン・ポロック、音楽家のジョン・ケージ、北朝鮮の金日成が生まれている。1913年は自然農法の福岡正信。

私の取捨選択に偏向はあるものの、この偉大すぎるラインナップで見てみると、太宰治の不真面目さというか、いい加減さがよくわかる(笑)。このラインナップでは『女生徒』のような作品はとてもじゃないけど書けない。
これは太宰を賞賛して書いている。太宰は文字通り教科書的にモラリスティックに理解され人口に膾炙されているが、本当はバカボンのパパみたいにとんでもない奴だったのだろう。

蛇足だが、双子の婆さんの金さん銀さんは1892年生まれで、太宰より17歳も!年上なのであった。ちなみにその4年前の1889年はヒトラー、チャップリン、ハイデガー、ヴィトゲンシュタイン、コクトー、和辻哲郎、堤康次郎(西武)、柳宗悦、石原完爾、夢野久作の生まれた恐るべき年で有名な1889年である。
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