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2010.07.12
二度の目覚めと二度目の死

雨がすさまじい。
きょうは三度ほど激しく降った。
降るというよりも落ちてくるという感じ。
地上も大気も雨にみたされて、水没したかのようだった。
水没を夢見る欲望。
ちょうど雨がちなこのころの朝方や夕方はとにかく景色が青い。
映画で早朝や夕方を表現するときに青のフィルターをレンズにかませることがあるが、その表現に近い青の世界が立ち現れて、私を内省へと誘ってくれる。オレンジの夕刻が感傷的にさせるのに対して、ブルーのそれは感情を交えずに物質的に過去や未来への出来事と向き合わさせてくれるようなクリアーな感じがある。自分はほんとうに目覚めているのか。目覚めてもなお目覚める必要があるのではないのかと自問する。
子どもの頃心霊現象を扱ったテレビ番組を見ているときに、ある霊能者が本当に怖い霊というのは自分が死んだことに気づいていない霊です、と語っていたことを今でも覚えている。こういった霊は供養することで死んだことを教えてあげると昇天するという。つまり二度死ぬということなのだ。それから20年後に神は死んだが死んだことをしらないというジジェクの言葉に出会うことになる。
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