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2010.07.07
連続性とかあわいとか

いま家にはアナログテレビとデジタルのテレビが両方ある。
両方ともケースに合わせて見ているけど、その体験は随分違うように思える。
アナログは遠い感じがするけど、デジタルは近い。
デジタルは女優さんの肌のきめまでよく見えることの近さもあるが、薄っぺらい感じの近さもある。つまり番組がまさに「情報」としてこちらに送信されている感じが強くするけど、アナログを見ている時は情報ではないひとつの独立した体験の体験性がつねに確保されていて、つよい安堵感がなぜかある。これは世代的な問題かもしれないけど。
新入社員が時間の流れ方が学生時代より早くなったという話をして、それを上司の遠藤さんは君たちはアナログとしての時間を生きたみたいな話をしていて、そこの思わぬところでアナログという言葉が出てきて、その使われ方のスマートさにfukashiさんは感心した。
アナログのもうひとつの特筆すべき点はコピーすると劣化するということだろう。
デジタルが世界を席巻すれば、ベンヤミンの言うようなオリジナルという概念も消滅するのだろうか。
オリジナル・ラヴ。唯一一回性の軌跡としての。
劣化することの重要性というのもあるんだ。
そのたびに立ち上げること。
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