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2010.06.01 現前する過去
在るもの


昨日のはげしい雨が、朝にはやんで、
草とか土の匂いをあたりにふりまいて、
これはずっと嗅いでいたい匂いのひとつで、
それだけで、テンションのあがった朝になった

琥珀色に胸が締め付けられる。


その色はとても深い記憶の古層に結びついている。
それは単純にカンロ飴の記憶なのだけど、それに付随した記憶があまりに多すぎ複雑すぎて、
言語にすることができず、途方に暮れてしまう。
プルーストのマドレエヌのように、いろんなものが「一挙に」やってくる。
凍結していたものが一挙に解凍されて、いつもそれは一挙だから、ひとつひとつを整理することができないあくまで全体的なものとして(面みたいな)訪れる。

そういった記憶の古層が開かれる契機のものがfukashiさんにはたくさんある。
ウルトラマン人形の目の黄色とかある安い香水の香りとか。

過去や記憶について、なにか激しく魅入られているのだけど、
それをどのように表現すればいいのかわからない。

たとえばタルコフスキーの「惑星ソラリス」で、過去の想念が物質化するようなSFの表現が一番ふさわしく思えて仕方がないけど、もっともっといろんなヴァリエがあるはずだとも思う。

紙に書かれた言葉が写真に撮られるのも、過去が現前化した感触に近い。


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