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2009.06.13
ネイチャージモン4

ネイチャージモンがヒクソンに勝てるという時、既にいろんなものを超越している。
まずわれわれのもっている「試合」や「戦い」といったものが持つ人間が近代の中で一方的に作り上げてきたルールを超越してしまっている。ヒクソンが森の中に3ヶ月もいれば、「おれは何をしているのか」と問い、戸惑い、動揺するという。その時、自分は仕掛けると。
つまりこれは近代が溶解する瞬間であり、「試合」そのもののが無効となっていく過程をおれは待てるということを言っているのだ。ヒクソンはリングというスポーツにのっかって括弧付きの「強さ」を持っているだけ。そこにおいてヒクソンは井の中の蛙なのだと。試合は30分ではないのだ。30年40年かもしれないのだ。例えば、サッカーの試合をそうしたスパンで見れば、小学生でもマンチェに勝てるかもしれないのだ。
そしてみんなもヒクソンに勝てるということを言った。これもまた非常に重要なのである。可能性は誰にでも開かれているということ。生への強い肯定。
ネイチャージモンの語る「スポーツ」「リング」「都会」「ペット」「見せる筋肉」と言ったものは近代の別の謂いである。
このDVDはあまりに面白すぎる。
東野や今田は初め「寺門ジモン」という冴えない芸人のイメージで笑いをとろうと(つまりジモンはホラ吹きだろうと)落としどころを構えているのだが、それに対してジモンは軽々と凌駕してしまっていてそこに笑いが落ちない、というもの凄い綱引きをやっているのがわかる。東野や今田は段々こいつはホンモノだと気付いていき、ここに笑いの落としどころがないことに気付いていき、ツッコミすら不能になっていく。
ジモンは何度もオオクワガタのチュウシケイという形が凄いと吠えているのだが、この「チュウシケイ」というのがどういうものか最後まで全然わからないのが笑える。
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