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赤い桧


5月というのは、なぜこうも完璧な調和のとれた季節なのか。(今日は暑かったけど)
風とか気温とか光とか、可もなく不可もなく過剰も欠落もなく、ひとつの球体におさまっているかのようだ。


椎葉村の大久保のヒノキが自分のブログにしては珍しく反響が多かったので、近づいたところの写真も載せます。
赤いのは撮影のせいだけではありません。実際赤かった。ヒノキ材は節の部分なんかはうっとりするほど深い赤茶色をしていますが表面的にこれほど赤いのは見た事がありません。この枝の反り具合を見て思い出したのがマンモスの牙でした。

かつてあり続け、そしてこれからも(私が死んだ後も)あり続けるだろうこの樹木を前にひれ伏す体験とは。

現代の生きづらさとか閉塞感といったものは、ひとつに自分が何者かということを定位しにくいことにあると思うが、こういった樹木を前にすると自分はどこから来たのか、そしてどこへ行くのか教えてくれそうだった。

擬人化された目鼻や口のついた木のように、自然と語ってくれそうだった。


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