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2010.04.09
刻まれた文字のあじわい

朽ちていく木に書かれた墨字や凹凸に刻まれた文字に魅せられて旅先でイケてる木製看板を見つけては写真に記録した。それらをたまにアップしていこうかなと考える。とにかくなんでもいいから褒めたい。すばらしいと思ったものや人を褒めたくてたまらない。そういうブログにしたい。
看板というのはそのお店がもっとも頭を使い、趣向をこらし、思いを入れ、掲げた、まさに顔。もっと言えば店の魂の代弁するものと言ってもいい。いたずらに派手に目立てばいいというものではない。視認性の高い黄色と赤の組み合わせがあふれる都市の看板だが、数が多くなればその配色の効果も薄れ、うるさいだけである。控えぎみのしっとりとした木製看板を掲げる店をごひいきに。
蒲鉾彫りと呼ばれる中央の盛り上がった彫り部をさらにはつって表情を出している。はつったところをサンドペーパーで軽く当て丸みを出して穏やかな印象にしている(はず)。書が閉じてしまわずにどこかしら抜けるスペースがあって素朴な味わいを醸し出している。旅館と書かれているから多分旅館なのだろう。材は多分カツラで屋外に強いウレタン塗装だと思われる。カツラ材は柔らかく極めて刻字にむいた材。細かいところまでコントロールできる。はつりの表情が素晴らしい。

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