| Home |
2010.04.05
流れと澱み

会社のお昼休みに近くの畑をずっと眺めていた。
蝶ちょとか羽虫とかが飛び交って、やわらかな春の日差しや微風が草花を揺らしているのを見ていると強い生への肯定やjoy、生きることのよろこびが静かにわーとわき上がってきた。それはアスファルトを眺めていては得難い体験なのだと思う。
生のよろこびというのは、たとえば仕事の調子がいいとか宝くじが当たったとか、そんなことから来るものではなく、理屈のない生の間隙のふとした流れや澱みから訪れる、いやわき上がるものだと思う。
それはもの凄いどん底のなかでも、いやどん底とか絶好調とかとは別の原理に根ざした運動のような気もする。そしてそれはとても静かだ。
ミュージカル映画で役者がそれまで普通の演技をしていて、唐突に体がぐぐっと傾斜し、踊りが始まる。この踊りへの移行の瞬間というのはいつ見てもゾクゾクするものがあるが、この裂け目に立ち現れるものとわたしがふとした時に感じる全体への統合感、生へのよろこびはけっこう似ている。それは物語からの開放、そしてリズムになることがわたしをもっと広いところへ連れて行ってくれるのだ。やったー。
| Home |