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2010.04.01 空っぽの器
4月1日はすべてが新しい。
人もそうだし、風とかも新しい。

桜の開花と社会の新規性が同期すると日本というものの懐の深さがにわかに立ちあがってくる。
年度や学年、入社の始まりも4月がいい。国際化とかいって欧米と合わせて9月なんかにするとつまらない風景になってしまう。

会社にも新入生がはいってくる。
人が緊張しているところを見ると自分も緊張してしまう。

貧しさについて考える。
彼らはなにも知らない。
なにものにも染まっていない。
それは貧しい状況ではあるが、可能性や希望とセットの貧しさだ。

知識や経験の豊富さは、かえってつねに自分を新規にするような迫力を失わせてしまう。

老子が語る空っぽの器の充実ぶりについて思い出す。

入社式に参加していたら、なんかだかその途方もない貧しさが感動的なくらいに輝かしいものに思えて胸に唐突に迫り、これもまた唐突にこの世界がとてつもなく愛おしく去りがたくないものとして胸に迫ってきて熱いものがわたしをくるんだ。


夜の座席



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