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2010.03.25 ホテル
ホテルの窓


ふと深夜に目覚めると見覚えのない天井やベッドのシーツに包まれている。
遠出していることを瞬間忘れる。

山の形は当たり前だが、その地域地域で全然違うもので、僕は山の形状でその地理的安心感というのか、地理と精神を結びつけて生きていることに気づいた。

僕がそこに存在するという場合のそこには山と自分の位置関係で定められるポイントのことだった。だから見覚えのない山の形は、見覚えのないホテルの天井やベッドと同じように、私を特殊な異邦の者にする。

ホテルの部屋には必要最低限のものしか置かれておらず、その殺伐感が嫌いではない。
テレビの横に据え付けられている箱に100円をインサートすると10分間だけHビデオが見れるというのもおもしろい。このサービスは人間としての最低条件のなにかなのか。決して過剰なサービスではない本能として認められている。

ついお金を入れて見てしまう。そのHビデオの中身がホテルのルームサービスのマッサージ嬢といつのまにかHしてしまうというシチュエーションで冒頭の1カット目が部屋のドアノブのショットから始まるのだけど、それが今いるホテルの部屋のドアノブとそっくりでカフカ的迷宮世界に紛れ込んでしまったかと思ったほどド胆抜かれた。

淀川長治はなぜホテル暮らしを死ぬまで続けたのだろうか。


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