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光電


同じ釜の飯でも、お椀に盛りつけたご飯とおにぎりとして食べるご飯は味が違うと思った。
おにぎりのあのぎゅうっとする作業や手の体温が味を違ったものにするのだろうか。


静かな夕陽。
風は冷たいが優しく懐かしい。
近くで遊ぶこどもたちの声すら遠くに聞こえる。
そういった空間の感覚を、すべてに距離を生じさせる永遠性みたいなものを夕陽には含んでいる。

近くにあるのだけど、絶対手に取ってみる事ができないような距離の感覚。


ホテルの受付の人が北川景子と双子じゃないのかと思うほど、そっくりだった。
北川景子のことはなんとも思ってなかったけど、北川景子に似た人を見て、北川景子のことが気になるようになった。

本人ではないもの、あるいは他者を通じて本人を理解するといった迂回は人間にはよくある。

夢に出ることで意識する存在に昇格したり、噂話でそのことを深く理解したり。

親子や恋人、夫婦といった近すぎる存在などは、死や離別、あるいは日記や手紙、ブログといった迂回路によってはじめて繋がることができるのかもと、ふと思った。

でもその時には、なにもかも終わっているのだった。



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