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2009.06.07
ヤスクニ

東京は来る者拒まずの巨大なブラックホールだ。どの街にも色合いがあり、一駅違えば歴史も文化も匂いも違う。特に皇居周辺というのは東京の中でも特殊で、なんだかうまく表現できないのだがある種の「重さ」というものがある。さらにその中でも靖国神社、九段という場所は独特で、通っていた大学がすぐ近くにあったのだけど、数百メートル離れたこの地区に足を運ぶと、そこはもう別次元だった。簡単にいってしまえば、昭和の軍靴の匂いがすると言えばいいのか。
先日「靖国」という中国のドキュメンタリー映画を見て、いろいろ靖国近辺を思い出して懐かしかった。この映画自体はひどく出来の悪いドキュメンタリーで、靖国のなんら本質をつかまえていないかった。靖国をつかまえるにはあの九段の空気感をきちんと写さないとだめだろう。小泉の靖国神社参拝騒動の頃がひどく何十年も前の出来事のように思えて、日本はあれから遠くに漂流してしまったなあと思った。
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