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2010.02.15
落下する朝方

発泡酒ばかり呑んでいて、たまにビールを呑むとめちゃくちゃ不味く感じる。ビールにはいろんなものが入りすぎているのかも。
朝ひとりで目覚めることの、この漠とした不安感というか、からだの底に漂うどうしようもない虚無感みたいなこの感覚はなんなのだろうか。こう言ってよければ生きていることの存在論的な哀しみみたいなものを一身に引き受けることが月曜日の朝の目覚めに感じることが多い。この漠とした感じは慣れたり、前向きに捉えたり、楽しいものに変換 したりすることが一向にできなくて、その都度全身で頭から浴びてしかと受け止めなくてはいけないことの辛さが生の条件のひとつになっている。NHKラジオのクラシックを聴いてやり過ごす。やり過ごすしかない。しかしこんな朝はいつから始まったのだろうか。働くようになってからか、それよりもっと前か。思い出せないけど 。
朝の爽やかさと身体を通過する冷たいものが混濁する。
カフカの変身でザムザは朝起きたら虫になっていた。朝起きたらまだ人間だったということの方が悲劇だろうか。高度一万メートルから落下して気絶してしまって、再び目覚めたらまだ落下中であるかのような絶望。
でも朝起きても昨日と同じ私であるなど証明できやしないが。
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