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2010.01.23 同じ歌
雪とご神木


青春って、いったいいつの時期のことなのかという問いがある。青春は心のもちようなどとは決して思えない。それには確実に始まりがあって終わりがある。(生涯青春とはまわりに迷惑をかけるだけだが、そんな生き方もまたありかもしれない)

大学生の人たちと一緒にいて彼らをみていると、いまのじぶんにはもうとっくの昔に失われたものが、彼らの中に燦然と輝きを放ち保たれていたりするのを見ることができたりする。そういうのを見ると、ああもうじぶんには青春というのはないんだなと思う。

じぶんの考える青春のそれを記述することは難しい。
年齢で一般的に括るのも違う気がする。
高校で終わる青春もあるだろうし、老いてから突如として花開く青春もあるだろう。

損得とかこれをやればこれだけのものが返ってくるとか、そういったこととはまったく無縁な世界に没入できる環境に生きていることは間違いなく青春の特権であるだろう。それは一種の無謀ではあるが、無謀には掛け値なしの輝きがある。

龍馬とか幕末、明治維新における日本人の生き方に心打たれるのは、そこに触れているからだと思う。
脱藩など人生で何度でもできることではない。

世界との齟齬に引き裂かれて、すすり泣く夜など生涯に何度もあることではない。




「小鳥のように同じ歌を一生歌い続けるのは難しい」

部屋の片付けをしていたら小学校の卒業文集が出てきて、ぱらぱら読んでいたら寄せ書きに記憶のない先生からの言葉が書かれてあって、小学生相手にこういう意味深な言葉を送ったのは、きっとあとから読み返される事を想定していたに違いないと考え、いまその先生のメッセージが届いたような気がした。同じ歌が歌えなくなることと青春の終わりはどこか関連している。


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