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凍滲


いまさらだが、今年のテーマを「成熟」ということにした。でも成熟っていったい何なのか考えていたら身動きがとれなくなった。

社会的に望ましい存在になることをみずから敢然と受け入れることというのは一つの成熟だと思う。たとえば茶髪でロン毛だったのを黒髪で短髪にするとか、結婚してCDやギターを捨てるとか、会社で毎朝行なわれる体操を堂々と受け入れるとか。これは当人にとっては屈辱以外のなにものでもないことだが、それを実践する ことは間違いなく社会的な成熟につながるだろう。

だが、正反対にこういった社会的な成熟をキッパリと拒絶することでの成熟というのもある。
それは社会的にはとても不利な立場に立つということを選択する覚悟が求められるか、曖昧にいつの間にかこういうゾーンに生きていたという場合も考えられる。

ある人たちにとっては前者が当たり前だったり、ある人たちにとっては後者でしか生きようのないものだったり。
 
私も含めたいまの30代近辺の人たちをロスジェネと呼んだりするようだけど、ロスジェネはこういった両者の成熟に引き裂かれた世代のことを言うのではと、ふと思った。
 
じぶんに圧倒的に足りない成熟は前者なのだけど。後者としての覚悟も足りず、中途半端だなとつくづく思う。

じぶんを一度殺すことが成熟なのか。じぶんを生かし続けることが成熟なのか。
どちらにせよ、どちらでもないにせよ生き延びなければならない。
それが成熟なのかもしれないとも思った。

オリオン座の一等星。空が遠い空間把握。
満天の星空ではオリオン座さえも埋もれていたのを思い出す。

たしかニーチェが自分が不名誉になることの表明が成熟への一歩であるみたいなことを言っていたな。


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