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2009.12.18
粉雪舞って
粉雪が舞っていた。強い風に簡単に向きを変えていく軽い雪。太陽の光に照らされて、きらきらとしていた。
アスファルトに着地した時には一瞬で消えていく粉雪をずっと見ていた。アスファルトに吸い込まれているようにも見えた。
冬の朝は好きなのだけど、やっぱりふとんから出るのが億劫になってしまい、何度もアラームを鳴らしていると、毎朝老体に鞭打って朝2時30分に起きて働きに出かける親父を思い出して、ふとんでモゾモゾしている自分が恥ずかしくなる。
まだ誰も起きていない暗い早朝や、誰もが眠っている深夜の時間帯で働くことの独特の寂しさというのがある。どこかで、皆と同じ時間に働き、皆と同じときに休みたいと思っている。深夜に職場で聴くラジオの焦点の定まらないような響き方や、まだ暗い早朝のがらがらの道路を走るときの寂寞感、休日で賑わう店々を横目に働いている自分が宙に浮いているような感じとか。
のら猫が多くいる公園があって、寒さで植栽の陰に潜む猫たちを見ていると、猫には深夜に働くとか、休日出勤とかないんだなと当たり前なことだけど、それが不思議に思えてしまった。
そんな猫たちの体毛にも、わたしのジャンバーにも同様に粉雪があたって、吸い込まれるように瞬時に溶けていくのだった。
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