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2009.12.02 老いてから
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崩壊の過程としての人生。
人も老いるし、猫も老いる。

老いていくと見える景色も変わってくる。
できていたことが、できなくなるだろう。

ある一人身のばあちゃんと話していた。さびしいから猫を飼いたいのだけど、わたしの方が先に死ぬから、残された猫がかわそうだと思って飼えないのよ。

ペットは自分より先に死ぬものだと思い込んでいたけど、深く老いれば自分がペットより先に死ぬ可能性は高くなることに気づく。

じぶんは夜の車の運転は楽な感じがしていい。日中の運転はあらゆるものが目に入る。看板から店舗から、落ちているごみから、運転するに不必要な情報ばかり入ってくるような気がするけど、夜はもう道と標識と他の車だけの世界になるので集中しやすい。

知らないことの強さというものがあって、10代や20代の頃は知らないがゆえに大きく行動がとれるけど、経験を重ねるうちにいろんなことが見えてしまって、じぶんをじぶんで拘束していくようになる。

藪の中に毒虫や毒蛇がいることを知っていれば入るのに躊躇や慎重さが目立ってくるだろうけど、知らなければズカズカ入っていける。でも慎重に入ればかえって毒虫にやられるかもしれない。やられないかもしれない。

たしか合気道の開祖の植芝盛平が86歳で亡くなる前に、「今が一番最強である」と周囲に語ったというようなことをどこかで読んだ。

崩壊の力そのものを利用せよ。


きょうの写真の老猫は前足がそろうとハート型に見えるとかでテレビに出た猫らしい。前足をむぎゅうとつかんで強引にそろえることはしないけど。老猫に誇りあり。撮ってみた。最強でした。


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