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2009.11.24
作者とはなにか

他の人が書いたブログを読んでいると、単純にこの人はどういう人なのだろうかという疑問が湧いてくる。趣味とか好みや顔といったことは書かれてある内容や写真で分かるとしても、その人の声の質感とか空気感とか所作振る舞いとかから醸し出されるもの、身体性といったものは勝手にこちらの先入観であてるしかない。ネット以外の生活世界ではこの他人の身体性に圧倒的に翻弄されていて、逆になにを考えていたり感じていたりしているかは勝手に想像するしかない。ブログなんかだと、その人の精神性みたいなものはすごくよく分かって、これは生活世界でのたとえば仕事仲間たちとは分かち合うことのできない肝心な深いところがオープンになっている。この非対称性。
ブログで自分をどう呼べばいいのか迷うことがある。
その呼称がけっこう、作者のイメージを大きく色付けてしまう。
「おれ」「俺」「オレ」とすれば男くさかったり、ハードボイルドだったり、「僕」「ぼく」だったらナイーブで繊細な感じを与える。
「私」「わたし」は理知的、真面目で堅い感じを与える。「自分」や自分の名前を自分で呼ぶのが無難なところか。女の人があえて「僕」と呼んだりするのは結構、軽やかで好きだけど。
カメラのシャッターは自分で押したとゆうより、世界によって押させられている感じがあるけど、そういうときって、私とか作者は消滅している。
ブログは強烈に作者(管理者)の独壇場だけど、それでも作者が消滅する地平といったものはあるのだろうか。
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