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2009.11.16
東ティモール

きょうは心の底から寒いとつぶやきたくなるほど寒かった。からだの芯まで響いてくる寒さ。認識は差異により生じるものだから昨日との温度差において凍えている。こころの構えの度をはずした寒さにちょっと驚く今日。日没して暗くなると余計に寒さが際立つ。暗くなることと寒さがいや増すことが繋がるのは冬が始まったことを強く実感させる。明日は今日よりさらに寒くなることをニュースで聞いて興が増す。
元グリーンベレー
東ティモールという固有名が発せられるとドキッとした。それは「元グリーンベレー」という固有名とは意味の重さが全然違う。「東ティモールの独立」という言葉、いやフレーズはある時期ニュースや新聞、ネットなどで盛んに使われた言葉だった。松本人志氏を筆頭にブレーンも含め、こういった言葉を掬いとって唐突に別の文脈で使用して遊ぶのがうまいし大笑いしてしまうけど、ここにはなにか大きな深淵が広がっているように思える。それが東ティモールではなく北朝鮮だったら笑いは起こらないかもしくは浅い笑いになってしまう。それはその固有名との距離感が絶妙に求められる。東ティモールという国は名前は知っているけど世界地図のどこにあるのか指さすことはけっこう難しい。けれど地理あるいは世界史のなかで確実に存在する国ではある。こういったなんだか大変そうな国が世界のどこかにあることを知っている。おれはなにを書きたいのか。都会で電車なんか乗っていて、電波系というのかひとりぶつぶつ喋っている人を見かけることがある。でも彼が喋っていることは、「東ティモール」のように非常に世間で流布されているけどその本質がよく理解されていない言葉を喋っていておそろしく凡庸な内容に愕然とする、そんなしらじらしさをあらためて俎上にのせると破裂して笑いが起こる。そんなきつい言葉との間合いを外すことが松本人志の笑いのエッセンスのひとつにある。外されたときにふっと緊張状態が緩んで笑いが起こるのだろう。整体にとても似ている。そういう意味でも松っちゃんはテレビの落とし子なのだ。
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