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2009.09.28
大いなる幻影であったとしても、

最近はどうも少食だ。
もともと胃下垂の太れない体質なのだが、痩せの大食いというやつで、
いぜんは結構食べてたけど、最近は食べることの快よりも食べないことの快に目覚めたようだ。
それが食欲不振というマイナス的なものからくるのか、判断つかないけど、
元気だから、まあいいのだろう。
昔の日本人は肉も食べず粗食の生活で、重い荷物をかかえ山をいくつも越え歩いていたから、食べる量とエネルギーはガソリンと車で考えられるモデルのように機械的に理解できない。
少食だからといって、パワー不足とは関係ない。
自分には兄貴がいるのではないのかと、ふと唐突に考えることがある。
実際に、兄弟は弟ひとりだけど。自分の上に兄がいるのではないかと…。
妄想以上の実感として、原始の記憶が自分にはある。
人間は生きるにあたって、さまざまなことを記憶しているけど、
一番最初の記憶って、なんだろう。
僕の場合は何歳か定かではないけど、幼稚園よりずっと前の幼き頃、
母親と祖母が言い争っているシーンが明確に記憶としてある。
多分、その時感じた険悪なムードを自分は感知したことは間違いない。
サボテンはどうとか…言い合っていた。
実家が美容室で、そのシャンプー台の上で言い争っていたことも、
はっきり記憶している。自分が間に挟まれて。
その記憶より前か後か…母親が自分が生まれるより前に流産して
亡くなった兄がいることを、父に話していた記憶がある。
そして、そのことを僕にもう秘密にしておこうということを語っていた。
多分、その時の自分は幼すぎて、親としては記憶できないと思ったから、
そのことを自分を前にして話したのだろうと思う。
でも僕は、こうして記憶している。
これが真実かどうか、わからない。
少なくとも、いまは問いただす気にはなれない。
親が死んでしまう前には聞いてみたい気がするけど、
性格上、墓場までこの秘密はもっていきそうだな。
大いなる幻影かもしれないけど、少なくともそんな記憶を
僕は30年近く、いきた。
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