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2008.12.16
ARIGATOU

関西方面に出かけると、「ありがとう」という言葉をよく耳にするような気がする。特にバスを降りる時に、運転手に言う場面を見かけることが多い。京都などでは全員声をかけていると言ってもいいだろう。もちろん運転手も「ありがとうございました」と返答する。
お金を払っているから、運転してくれて当たり前と言ってしまえば、それまで。確かにお互い、なんの借りもないが、「ありがとう」という言葉は単なるおカネの関係を越える、相手の技術や労働に対する敬意が含まれている。「派遣切り」を例に挙げるまでもなく、今の日本の社会に欠けているのは、労働に対する根本的な敬意で、合理化の追求は構わないにしても敬意や感謝までをも同時に踏み潰してしまったのはまずすぎるだろう。そのあたりに日本人の芯のなさを見てしまう。
「ありがとう」の掛け合いは、そんな現状に抗す。第一言う方も、言われる方もとても気持ちがいい。
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