fc2ブログ
2009.01.06 吉本隆明

吉本隆明



NHKの桂離宮特集の裏で、吉本隆明の講演番組も放送されていて、どちらを見るかさんざん迷った結果、

ビデオに録画して見ることにした。

僕が哲学を学び始めていた時には「吉本隆明」という名前は既に過去の人みたいになっていて、その思想と改めて真正面から向き合うという機会はなかった。時代が混迷すればするほど、その時代をドライブする思想がなにより重要だと思うが、吉本隆明の講演を聴いていて、驚くほどアクチュアルに「今」と響くものと「古いなあ」というものが混在していて面白かった。何よりその半生を語るがごときの熱意と、舞踏家のような身振りにはズシリとくるものあり。

案内役の糸井氏が言うように、道に迷ったら迷った元のところまで戻ればいいのであるが、その「元」がなくなってしまっているのが現在。どう自らを解き放つのか。芸術は無用ではなく、確実に我々を生きさせてくれる何かであるなど、元気が出る言葉が多かった。

またマルクスについて熱く語る吉本を見ると、マルクスが無性に読みたくなった。こんなでたらめな経済世界に生きる今こそ、思想信条関係なく、マルクスと素で向き合う時代がきているのかもしれない。


Secret

TrackBackURL
→http://1000plateaux.blog40.fc2.com/tb.php/191-b523734a