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花腐3


まだ花弁は落ちていない。



朝、出かけるときに半袖では寒いと感じるほどだった。
でもここでいきなり着込んでしまうと冬がシンドくなってしまうので、薄着のまま通す。
寒くなり始めの季節は風邪を引かない程度に薄着で過ごすと、冬の寒さに耐えられる体になる。

小学校の頃、クラスで年中ランニングシャツと半ズボンで過ごしてた男の子がいたなあ。
真冬に雪が降った時に、寒くないの?って聞いたら、「さみぃよぉ…」と答えたのが忘れられない。
親に強制されていたのだろうか。




仕事仲間で風体がまるでマフィアのようで、いかつい筋骨隆々の大男がいる。
でも見かけに寄らず優しくて利発で面白い人。
2人の会話はいつもほとんどが下ネタ(笑)で、真面目な話をしたことがないのだが、ある日ふと彼が小学校時代にイジメを受けていた話をし始めた。

はじめ彼がイジメていた話なのでは??と思ったが、よく聞いているとイジメられていた話だった。小学校時代は体が小さく、凄まじいイジメの対象だったという。休憩時間は地獄で、皆から危険なプロレス技をかけられたり、顔面を殴られ蹴られの毎日だったという。彼はサービス精神が旺盛な人間なのでネタで話しているのではないのかと半信半疑だったが、彼が目を潤ませているのを見て、あ、本当なんだと思った。学校を行く前は恐怖で吐いていたという。
もうノイローゼ状態で死んだ方がましだと思った彼は屋上へ上がり、欄干をまたがり飛び降りようとした。
あのとき、見えた地面はいまでもはっきり覚えているという。

飛び降りようとしたその瞬間に、学級委員の同級が後ろから来て、羽交い締めで強引に後ろに引っ張って、半狂乱状態で「死ぬくらいなら、やり返せばいいじゃないかっ!!」と泣きながら怒鳴ってきたという。この一言がおれを変えたと。あいつは恩人だと。

中学に入った彼は、木刀を手にその時イジメていた人間のクラスをひとつずつ回り、半殺しにしていったという。3クラス目で教師にとめられて、全員の復讐はできなかったと話す。

彼の顔相は普通の感じではなく、非常に眼力が強い、喩えるなら鬼瓦のような顔相なのだが、欄干をまたいで戻ってきた人間の顔はこうなるかもしれない、とも思った。

イジメを乗り越えるには原始的だが、昔の人が言うように「やり返す」のが一番有効的なのではないかと思った。
多分、イジメている人間にはそんな人を傷つけている自覚などないだろう。
その自覚を促すための復讐は、アリかなと思った。
もちろん勉強やスポーツなどで成功して見返すという、ポジティブな方法も充分有効だけど。

でもイジメを受けたことの傷は一生消えないだろう。
僕は彼が体をムキムキに鍛えているのは、暴力に怯えまくった日々の防衛意識とまったく無縁とはとても思えないからだ。



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