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2009.08.15
風

お盆のこの時期は死んだ者や死について一番よく考える時期かもしれない。全国的にみても。
自分はふたりの死者について思いをはせる。
高校の頃、同級生を病気を亡くしている。好意を寄せていた女性だったが、ある日唐突に亡くなった。唐突すぎて涙も出なかった。悲しさもなかった。
もう一人は祖父。自分が生まれるより前に亡くなっているが、尋常でない親しさを感じる。自分が買った時計が、祖父がしていた時計とそっくりだったみたいで、親が驚いていた。性格とかも似ているらしい。
なにかに迷ったり、悩んだりしたときにふたりに問いかけることがある。一方的だが、聞いてくれてるような気がする。わたしたちは生きている人間よりも、死んだ者に影響を受けるのではないか。死んだ者に翻弄され束縛されるのではないか。
東京に上京する前に、亡くなった彼女のお墓参りをした。お墓に刻まれた彼女の名前を見て、「彼女の死」をはじめて理解し、泣けた。長い時間お墓の前でひとりぶつぶつ語りかけていた。雨が自分の周りにだけ降っていたけど、不思議には思わなかった。
それから「千の風になって」という歌が流行し、お墓にわたしはいませんという歌詞を聴き、妙に納得。たしかに風になっているのだと思う。
自分は死んだら、骨の一部を森に蒔いてほしいと思う。自然の循環の一部に還れれば、本望だ。
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