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2010.07.15
キャメラをもった男

カメラ。
映画のフィルムというものは、当たり前だが光に感応して世界が写し取られていく。
連続的に。1秒間24コマの。
カメラマンはファインダーからレンズを通して、世界のフレームを決めていく。
撮影時はファインダーから目を離してはいけない。
ファインダーからも光がもれ入ってしまうからだ。
だからカメラマンは目をファインダーに押し付けるようにして撮影する。
カットが終わった後のカメラマンの目の周りは赤い。
スチール用のカメラと区別するため、現場では映画のカメラはキャメラと呼ばれる。
キャメラマンがファインダーから見ているのは特に四隅とか端である。
マイクとか余計な物が写り込みやすいのだ。
キャメラを始めたばかりの頃はこれがきつい。
ぐったりするように疲れる。ずっとにらんでいるように力んでしまう。
徐々に慣れてくるけど。
世界をフレーミングする行為は、だからファインダーを強く覗き込むことと同じだ。
でも最近のスチールのデジカメなんかにはこのファインダーというものが完全になくて。。
テレビモニターのような画面でフレーミングするようになっている。
隅とか端とか言う概念はもうないし、覗くという体験をもって世界を立ち上げるというようなことがない。
おれは今のカメラでなにを見ているのかと途方に暮れることがある。
n.fukashi
これは祈り道として世界遺産にも登録されている熊野古道です。
ずいぶん観光地化されてしまったようですが、何度でも歩きたい素晴らしい道です。
ずいぶん観光地化されてしまったようですが、何度でも歩きたい素晴らしい道です。
2010/07/18 Sun 12:14 URL [ Edit ]
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