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michi012


旅先などで地元のスーパーで買い物をしている地元民を見ると、
ああ自分は旅人で、この人たちは帰るべき家が近くにあるんだとしみじみ感じてしまうことがある。

遠方へ高速道路を走らせている時なんか、夜に高速から見える家々の明かりに尋常ではない暖かさを感じる事もある。

営業なんかで他人様のお宅に上がらせてもらって、そこにある家庭のどうしようもない匂いとかたちこめる生活感とかにも郷愁に似た包み込まれるような安らぎ、羨ましさを覚えることがある。

とくに家庭愛に飢えて育ったということはないけど、どこかで確実に帰るべき家や故郷というものを失ってしまっているのだと思う。それは地理的、物理的な話ではなくて、目の前にそれが、たとえば生家がありつつも、記憶の中のそれとは決定的に違う現れ方をしている、でもそれは生家以外のなにものでもない、みたいな。それを埋めるものとして関係がないが強烈に存在する他人の家の暖かさ、みたいなものに、失われたしるしみたいなのをよみとっている、のかもしれないらしい。

そういうのを旅とか亡命と呼んでみたい。


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